抗がん剤の手のしびれについて(当院医師による論文発表がなされました)|周山医院|山口県下関市の内科・消化器内科・糖尿病内科・乳腺外科

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抗がん剤の手のしびれについて(当院医師による論文発表がなされました)|周山医院|山口県下関市の内科・消化器内科・糖尿病内科・乳腺外科

抗がん剤の手のしびれについて(当院医師による論文発表がなされました)

先日、抗がん剤治療中の患者様から副作用による手のしびれについてのお話を伺いました。

近年、末しょう神経障害を引き起こしやすいナブパクリタキセル(商品名:アブラキサン)の治療を行う際に少しきつめの手袋をつける圧迫療法による末梢神経障害を予防する方法が時々使用されるようになっております。

これは2016年と2019年に同じ著者の書かれたナブパクリタキセルの使用中に圧迫療法を行うことで手のしびれを大きく改善できるという報告に基づいて行っております。

この2つの報告では圧迫療法の効果は非常に効果が高く、素晴らしい研究結果が報告されておりますが、2024年の時点では圧迫療法がほかの抗がん剤での末梢神経予防ができる研究結果の報告はほとんどありません。

当院医師による研究ではナブパクリタキセルと同じ微小管阻害薬であるビンクリスチンでは圧迫療法の効果が得られないことを報告しております(Takuya Suyama, et al. Compression therapy using surgical gloves is ineffective for the prevention of vincristine-induced neuropathy in patients with malignant lymphoma. supportive care in cancer. 2024;32(3):173. PMID 38378914)。

また、同じような作用の薬剤であるパクリタキセルに関しても同様に圧迫療法の効果が示されておりません(Haruru Kotani, et al. Compression therapy using surgical gloves does not prevent paclitaxel-induced peripheral neuropathy: results from a double-blind phase 2 trial. BMC Cancer. 2021; 21(1):248. PMID 33985457) 

残念ながら、現在はナブパクリタキセル以外の薬剤での末梢神経障害に対する有効な手段が見いだせていない状況です。

抗がん剤の進歩は日進月歩ですが、副作用対策が追い付いていないのが現状です。今後も更なる研究を重ねてより効果の高い、副作用の少ない治療を目指していきます。

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