インフルエンザワクチンについて
- 2025年1月17日
- 内科
2024年末から2025年の年始にかけてインフルエンザが大流行しています。
現在進行形で診療をしていて、「インフルエンザワクチンを接種したのに感染してしまった。」との声も多く聞かれます。
インフルエンザワクチンを打つ意味があるのかと考えられる方も多いようですが、インフルエンザワクチンは
感染そのものを完全に防ぐことはできず、感染後の症状を軽減させる。
ことに大きな意味があります。2024年だけでもインフルエンザワクチンに関する多数の論文が発表されました。
・子供ではインフルエンザワクチン接種により救急外来受診、入院を50%減少する(特に年少児にメリットが大きい)。
・心血管疾患の患者さんにおいてインフルエンザワクチン接種は全死亡、心血管死、脳卒中のリスクを下げる。
Cardiology in review. 2024;32(5);423-428.
・インフルエンザワクチン接種は65歳以上の方では急性腎障害のリスクを下げる。
Pharmacoepidemiology and drug safety. 2024;33(9);e70006.
もちろん予防接種の副反応はありますが、全体でみればインフルエンザ予防接種には大きな意味があります。
注射が苦手のお子さんには点鼻ワクチン(フルミスト)という選択肢もあります。
来年度も可能な方はインフルエンザの予防接種をお勧めします。